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No.492010年6月3日発行
15年前のあの日あの時、河野秀忠(副代表)とボクは途方に暮れていた。とにもかくにも神戸に辿り着いた河野から「メチャクチャになっとる、すぐ金を集めんとあかん、10億円は要るなぁ」と受話器の向こうの声は震えていた。被災地には障害者運動の仲間が大勢いる。とりもなおさず仲間の安否が気になってじっとしておれず、現地に辿り着いた河野からの第一声だった。
あまりの被害の大きさ、〈なんとかしなければ、だが……〉ボクは戸惑った。10億円なんて見たこともない。いったいゼロがいくつ並ぶのだろう、9コだ。ということは「10万円くれる人を1万人あつめねば」との案が仲間から出た。確かに当初、「何でもいいから被災地の役に立ちたい」という空気は大阪の町行く人の表情にあふれていた。だが、冷静に考えると10万円は多額すぎる。もう少し小さな額で多数に参加してもらおうと「1万円を提供してくれる人を10万人あつめたほうが広がる」、そして「10年かけて1万円を提供してもらう10カ年計画、これなら中学生の頃から参加できて」、彼らが成人した頃に成就する夢もあることを我らとともに実感できる、と方針を決定した。
さっそく呼びかけ文をつくる。テレビでは被災地の瓦礫の山が次々と映し出されていた。と、そんな中で「この水、なんぼ使うてもええよ、遠慮せんと使うてや」という貼り紙がアップで紹介された。被災地の誰かが貼られたのであろう、どれだけ心が和んだことか。それがヒントになった。「人間は自然の力にかないっこあれへんけど、こんな時こそ人の力を借りよ、人間なんやから……」、必死とはこういうことか、意外にもスラスラと呼びかけ文のペンが進んだのだった。
だが、詐欺が横行しているとてもとてもイヤ〜な世の中、名のないボクたちを信用してくれる人はいるだろうか、億単位以上の金額は高い高い壁として立ちはだかった。そこで責任は重くなるが社会的に信用度が高い著名人で、ボクたちが信頼している人として、河野が編集長の障害者問題総合誌『そよ風のように街に出よう』にときどき寄稿を依頼していた永六輔さん、山田太一さん、落合恵子さん、小室等さん、いまや星になって見守ってくださる岡部伊都子さん、灰谷健次郎さん、筑紫哲也さん、松下竜一さんなどにお力添えをお願いした。むろん、河野やボク、そして多くの友から友へ、無名ながら力を貸してくれた圧倒的多数の人たちがいたことはいうまでもない。
みなさん反応は早く、「呼びかけ人」への協力を名乗り出てくださった。なかでも大阪に講演に来られた永六輔さんの楽屋を河野と二人で尋ねると、「10年かけるのがとてもいい、もっと有名人が必要なんだろ」と、東京に戻られるや次々と仲間に声をかけてくださり、伊奈かっぺいさん、おすぎさん、ピーコさん、中山千夏さん、桂米朝さん、茂山千之丞さんたちが呼びかけ人への参加を快諾してくださったのだ。どれだけ励まされたことだろう、とても筆舌に尽くせない。こうしてまたたく間に40名を超える著名人が名を連ねてくださることになった。
あの日あの時の阪神淡路を忘れない、そしてあの日あの時の永六輔さんの底力をいつまでも忘れない。ただ名前をお借りするだけで感謝感激なのに、本気で力を貸してくださる。ボクはあの日あの時から東京に足を向けて寝ることができなくなった(旅が多い永さん、きょうは山口と分かれば足を西に向けない)。
10年経って、永さんは呼びかけ人代表を小室等さんにバトンタッチされ、権代表に回られた(権は代理の意)。その記念として「ゆめ風応援歌」が創られた。作詞は谷川俊太郎さん(ゆめ風・賛助会員)と永六輔さんの合作(どの行がどちらかは秘密)、作曲はむろん2代目呼びかけ人代表の小室等さん。こんな前代未聞の応援歌が生まれたのも3名の心ひろき方々ならではのたまもの。
そして15年、われらが成し得たことは名のある方々から受けた恩に報いるにはほど遠い程度にすぎないが、それでも懸命に努めてきた。国内海外40あまりの被災地に総額4000万円強の救援金を届けることができ、ゆめ風のネットワーク拠点を全国に51カ所設け、障害者を主体にした防災の取り組みをひろげたこと。そして、いざっという時に被災地の障害者市民にすぐ届けられ活用される2億円の基金が備えられたこと。これらは1万人を超える方々がコツコツと積み上げてくださった支援金があってこそのこと、一同こころからお礼申しあげます。ほんとうにありがとうございます。
CODE海外災害援助市民センター(村井雅清事務局長)海外研究員クワテモックさんからレオガンの障害者作業所ARCHにゆめ風救援金が届けられました。現地はまだ復旧の途についたばかりです。
クワテモックさんたちNGOの救援活動が懸命に続けられています。現地を訪れた村井さんによると、結核が広がってきていて心配な状態だとのことです。仮設住宅がようやく建設されるところで、被災者の多くはまだテント暮らしです。
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