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ゆめごよみ風だより

No.472009年12月3日発行

リレー・エッセイ 災害と障害者 第二十八回

安全

どんなに時代が豊かになっても、便利になっても災害が起これば、ひとたまりもなく、人の財産や尊い生命までも奪っていく怖い存在である。特に地震は大きなものになると、一瞬のうちにして全てを止めてしまい、さっきまでの営みが嘘のように時間が止まってしまう。

一九九五年一月僕が高校三年のとき、阪神・淡路大震災が発生して、学校から寄宿舎に帰ってきてテレビを見たら、街中が燃え黒煙が上がっていて、この世とは思えない光景が目に飛び込んできた。この大震災の報道の中でも、障がい者に関しての情報や安否確認、避難場所・避難できる場所の情報が全くと言っていいほど、なかったと思います。あのクラスの地震だったら、被害に遭われた障がい者はいたはずです。あの頃は意識せずテレビを見ていたから、あまり気にもしなくて、今思うと何日も瓦礫の下敷きになられていた方の中には、もしかしたら障がい者がいたのかも知れません。健常者なら自力で避難できた場所でも、障がい者にとっては無理なことなんです。

よく施設時代に年四回ほど、避難訓練をやっていました。けれど、震度七くらいですと、健常者でも歩けないほどの揺れだと思う、そして一瞬にして目の前が真っ暗になる。障がい者とくに車椅子の人や寝たきりの人たちの、安全確保や避難場所の確認をしておかなければいけない。いつ、どこで地震や台風、火事といった災害が発生するか分かりません。だからといって、避難訓練やっているから安心ということは決してないはず。いかに、地域とのコミュニュケーションをとり、自分自身の中で安全に逃げられるか、生命を守りぬくことを考えて、日々を過ごしていくことが大事かと思います。

災害が起こると障がい者は、さらに二重三重の障がいが発生する。施設・住居がバリアフリーであったとしても、地震の場合住居は倒壊し車椅子の人は、避難が困難になる可能性が高くなってしまう。道路が寸断されたり、水道管が破裂して洪水になったり、火災が起きたりと、危険がありすぎて逃げられないのが現状です。近所との連携を密にして、災害が起きたら手助けしてもらうこと。でも今の世の中、核家族や一人暮らしの家庭が多く、ときに隣に誰が住んでいるか、全く分からない人も多いのではないでしょうか。地震が起こった場合、隣に障がい者が住んでいることすら分からないで避難してしまう。もっと怖いのが、障がい者が住んでいると分かっていても、手助けしなかったり、一声もかけない人も中にはいること。だからこそ普段、近所との関係性作りが大切になってくると思います。自分自身をアピールすること。よって、災害が起きたとしても、「ここに、障がいをもった○○さんがいるから手を貸して」と近所の人が声をかけてくれると思います。

今ぼくは、仙台市太白区長町のちょい古いマンションに四年前から住んでいます。ヘルパーを利用して、生活を成り立たせていて、一日の中でヘルパーがいない時間もあって、そんな時に大きな地震がきたらどうしようと考えてしまいます。しかもマンションで車椅子、ぼくの部屋は三階といったらエレベータが絶対必要で、地震などで止まってしまえば、階段で避難するしかありません。仙台は高い確率で、大きな地震が来るという。そんな話を聞くと、阪神・淡路大震災の映像が頭に思い浮かぶ。街中からは黒煙上がり同じ状況に、もし仙台がなったらぼくの命はないと思ってしまいます。時間帯によって、地震は火事を招き、多くの命を奪う怖い存在であるから、地域全体が一つとなったら、少しでも災害を小さく出来るのではないか。

地震がきたら身を守り、逃げ道の確保、そして普段の地域との関わりが大切に思います。「自分だけ助かればいいや」と思うのでなく、身体の不自由な人、お年寄りや妊婦さんが安心して暮せる地域が一番だと思います。

「災害は忘れた頃にやってくる」。まさしくそのとおりで、毎日、身を引き締めて生活をしてないといけないのか。かといって、いつも緊張して生活していくのは疲れるし厳しいものがある。災害もいつ発生するか分からないから、油断は禁物という言葉に鎖つけて、肌身離さず生活していたら、災難も少しは軽減できるのではないか。

いつ、どこで災害に遭うかは分からない。今、地震が起こって建物の下敷きになる可能性だってある。いくら健康に気をつけていても、地震や事故は尊い生命をも失ってしまう怖いものである。

和山(わやま)栄輔(えいすけ)
一九七六年生まれ。青森県八戸市出身。生まれつきの脳性マヒで、小中高と養護学校で学び、卒業後は在宅生活・施設入所を経て、二〇〇六年九月に仙台市内で一人暮しをはじめました。現在は仙台市にある自立生活センターCILたすけっとに所属、施設や学校で生活している障がい者に向けて、自立生活支援のサポートやイベント企画などの活動をしています。仙台市に障がい者プロレスの団体があり、そこには所属していませんがフリーでプロレスをやっています。

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