ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.462009年9月10日発行

リレー・エッセイ 災害と障害者 第二十七回

今からできること

この度山口県防府市をはじめとする被災された皆様に心からお見舞いを申しあげます。

新潟は中越地震・中越沖地震・三条市の水害など毎年災害に見舞われ大変な思いを致しました。

被災された地域の皆様も復興に向けてご尽力され、仮設住宅から市営住宅など徐々に引っ越しをされています。それでも当時の辛い想いは心に残ってしまいます。ただ、仮設住宅の入居の仕方が地域の人たちがバラバラにならないように配慮されたので、ご家族の中に、知的の方が夜中に大声を出すことがあっても、お互い様という意識で隣同士が支えあったことは、県の取り組みとして良い支援であったと感じています。そして、グループホームの入居者の方の支援についてもゆめ風基金の皆様が迅速に対応され、そこのバックアップ施設に義援金を送るなどの支援により、助かったことも聞いております。

さて八月二日・三日に長岡花火が開催されました。この花火は長岡大空襲で亡くなった方の慰霊と戦後の復興を目的として再開されました。そして、中越地震、中越沖地震の復興を願うことも加わったのです。

雨の中で上がるスーパーフェニックスに感動し、復興を再度願った次第ですが、その帰り、災害さながらの大渋滞とパニックに遭遇し、まさに災害時の避難体制を考えると多くの課題が見えた一日でもありました。

実は、長岡日本赤十字病院が打ち上げ場所(見物する場所)の近くにあったことや、史上最大の人出であったこともありますが、午後九時に終わり、十時半になっても車が動かず、十字路では右折する車、左折する車、十字路の真ん中で立ち往生する車などさまざまで、駐車場から出るために我先に主要道路に出ようと車線を譲らず自己中心の場面が多くありました。接触事故も当然起こったようでした。

あとで警察の方の説明を聞けば緊急車両の確保のため十時半まで通行止めを行ったと言うのです。

しかし、十時半の通行止めが解除になっても依然として車は動かず、夜中の十二時を回った頃に、やっと十メートルほど移動できたのです。長岡市から新潟市まで戻るのに六〇kmの道のりを七時間かかりました。

また、会場周辺の映画館やコンビニは渋滞のためのトイレの使用を禁止する張り紙がされたため、生理現象を我慢する人たちで不満は一層高まり、警察も交通整理にあたるまで人手が回らず、ボランティアの姿もなく、不安なまま時間だけが経過していったのです。

仮設トイレに限定して振り返ると中越地震の時もそうでした。この時は障がい者用トイレなど準備する間もなく、トイレに行けなく体育館の真ん中で毛布で囲んでもらってしなければならなかった女性の障がいを持った方の報告もあります。

中越沖地震の時は、ゆめ風基金理事八幡さんのご指摘もありましたが(二〇〇七年十月十四日まちづくりシンポジウム小出)県の対応は早くほとんど一週間ぐらいで体制を整え、手話通訳者など福祉対応型を打ち出すなど迅速に行われたのです。

新潟県の取り組みとして二十四時間以内にしなくてはいけないこと、四十八時間以内にしなくてはいけないことと、時間系列で防災の災害対応マニュアルを変えたということが大きな変化としてありました。

ただ、この時も仮設トイレの設置が四十八時間くらいしてからということもあり、四十八時間以内に間に合うこともあれば、間に合わないこともあったのです。

長岡市の花火ではいつも仮設トイレが課題であり、帰りの渋滞の時の生理現象の課題も毎年ありますが、災害が起きたとき、このようなイベントのときに課題を克服していれば災害時にも迅速に対応が可能ではないかと思います。

私自身、中越地震の後の支援に赴いたとき、家の片づけは自分たちでやるので、知的に障がいのある子どもたちが不安にならないように付き合ってほしいということを言われました。

いつも顔が見える付き合いをしてきた人と、ボランティアという名のもとに集まった人との被災された方との信頼関係の温度差かもしれません。実際に自衛隊や行政の支援が被災された方が一番安心するというような報告も聞けば、安心の担保は身元がしっかりしていること、第一は行政であり、第二は近所付き合いの人となります。でも、災害時の行政の稼働率は一〇%にも満たないので、ボランティアの助けが必要不可欠なのです。

それでは、障がいを持った人はどうすればよいのでしょうか。

障がいを持った人は地域でお客様でなく、住民としてそこにいることを自ら主張していく強さが一九八〇年代まではありました。今、在宅支援サービスが充実し、強く主張しなくともサービスの提供が受けられるようになっていますが、いざ災害となると麻痺することが目に見えています。

地域に障がいを持つ人が暮らしていることを地域の人が知って支え合うコミュニティーを日頃から構築することが大切です。誰とどこに避難をするのか、そこに何があるのか、福祉避難所は機能するのか、みんなが意識を持つことから始まるのです。

遁所(とんどころ)直樹(なおき)
二〇〇七年四月よりNPO法人自立生活センター新潟事務局長。二〇〇九年四月よりNPO法人アクセシブルにいがた理事長兼務。その他、新潟大学工学部人間福祉工学科非常勤講師、社会福祉法人豊潤舎監事、社会福祉士、行政書士、介護支援専門員。ゆめ風ネット新潟代表。

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