ゆめ風基金

特定非営利活動法人 ゆめ風基金

〒533-0033
大阪市東淀川区東中島1-13-43-106

TEL:06-6324-7702
FAX:06-6321-5662

MAIL:info@yumekazek.com

障害者救援活動にご協力ください

障害者救援金
送り先
郵便振替口座
00980-7-40043
ゆめかぜ基金
その他の振込方法

ゆめごよみ風だより

No.452009年5月21日発行

【ゆめ風応援歌】物語 VOL.17

夢が風を巻きおこす

一九九五年一月十七日、私は大阪府豊中市の自宅で大きな揺れに見舞われた。

時が経つにつれ近くの幹線道路は西へ向かおうとする車の列であふれ、救急車や消防車のサイレンが一日中鳴り響いた。空からはヘリコプターの轟音が降り、TV画面には驚くべき映像が流れ、それはそれは不安な時が流れた(いま思い起こしても胸がしめつけられる。子どもたちはどんなにか不安だったろう。当時の私はそれを思いやることができなかった)。

地震から二日後、通っていた障害者作業所のファクスから、被災障害者情報がどんどん流れてきた。「・・障害者の○○さん行方不明。○○さん死亡。○○さんここに避難。水、食料、薬がない。介護者が足りない。精神医療人権センター全壊!○○作業所全壊!・・・」心を強打する文面が滝のように流れていた。発信元は、全国障害者解放運動連絡会議(全障連)大阪事務所で、姫路の事務局員が発信する情報を二十四時間態勢で全国の障害者や支援者にファクス送信していた。力を合わせて被災地の障害者を救援しようとの呼びかけがあふれていた。

私は、全障連ほか多数の障害者団体が結集して発足した障害者救援本部の事務局スタッフとして働き、大勢の被災障害者の話を聞いて多くのことを学んだ。経済大国を誇るこの国は、いざという時には、市民一人ひとりのいのちと人権を優先して守らないこと、平時の差別や生きづらさが、非常時には何倍にもなって噴き出し、更に更に「弱者」を痛めつけること、そして、人と人のつながりや支え合いこそが立ち上がる力と勇気を産み出すことを。

尾道ふれあいの里で凄腕に囲まれおびえる橘高。左から永村さん(上)、橘高(下)、松本さん、八幡さん

一九九七年春、救援本部は活動を終え、私はゆめ風基金事務局員となった。被災障害者が語った被災の現実―体育館の吹きさらしのコンクリート廊下で凍える障害者、高齢者、震災を生き延びながら避難所で体調を崩し「弱者」から順に倒れていく姿が脳裏を離れることはなかった。

震災から十年が経過した二〇〇五年、永六輔さん、谷川俊太郎さん、小室等さんが無償でゆめ風を応援する歌を作ってくださった。当時の神戸新聞にこう記されている。「・・永さんは作詩にあたり、東京・浅草の実家が関東大震災で被害を受け、両親からその話を聞いてきたことまでイメージを広げた。阪神・淡路大震災はもちろん関東大震災、イラク戦争、新潟中越地震、スマトラ沖地震などすべて伝えていかなければならないと指摘。『経験はなかなか役立てられない。一人ひとりが伝えてくださいとの思いを歌詞に込めた』と話す。・・」

いまこの瞬間も、心がちぎれる思いを抱く人が世界中にいる。ゆめ風応援歌で心を奮いたたせ、何が起きたかを伝えていくことで広くつながり、風よ巻き起これと願うばかりだ。

夢が風を、巻き起こす、心から心へ、一人から一人へと。夢に風 に心ひらき 風に夢に心がけて また来る日のために(「伝えてください」「風と夢」歌詞より)

橘高きったか千秋ちあき/ゆめ風基金事務局長

©ゆめ風基金