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No.452009年5月21日発行
わが家にも定額給付金なるものの申請書(請求書)が役所から届いた。そう、個人あてではなく高齢2人暮らしの「わが家」にである。この2兆円ばら撒き+事務費900億円弱、その財源は数年後に税金で回収とのこと。とても政策なんて言えないシロモノ。どうして、ほんとうに必要としている人たちに届けられないのだろうか?その知恵を絞り出してこそ市民から支持される政策といえるのではないか。手前味噌ながら「ゆめ風基金」では、ほんとうに必要な人に確実に届けられる努力を最重要視している。いま、あらためて「平等」について思い巡らせ、高校生時代に感動した聖書のエピソードを思い出した。
その箇所は、イエスが弟子に「天国は、どんな所ですか?」と尋ねられて、答えた「ぶどう園の労働者」のたとえ話である(マタイ伝20章)。
あるぶどう園の主人が夜明け早々、労働者を雇うために広場に出かけ、1日につき1デナリオンの約束で労働者をぶどう園に雇い入れる。また9時ごろ行ってみると、何もしないで立っている人がいたので雇い入れて、ぶどう園におくる。主人は12時ごろと午後3時ごろにまた広場に出かけ、同じようにし、5時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので「なぜ、立っているのか」と尋ねると、「だれも雇ってくれない」と言う。そこで彼らに「あなたたちもぶどう園に行きなさい」と送り込む。日が暮れて、主人はぶどう園の監督に「労働者を呼んで、最後に来た者たちから順に賃金を払いなさい」と言う。そして5時ごろに雇われた人たちに1デナリオンを支払う。それを見ていた朝早く来た人たちは、もっと多くもらえるだろうと思う。ところが彼らも1デナリオンずつであった。そこで彼らは主人に「最後に来た者たちは1時間しか働いていません。まる1日、暑い中を辛抱して働いた私たちと、この連中を同じ扱いにするのですか」と不平を言った。
ぶどう園の主人はその1人に言った。「あなたに不当なことはしていない。あなたは私と1日1デナリオンの約束をしたではないか。自分の分を受け取って帰りなさい。天国はこのように、後に来た者が先になり、先の者が後になる所である」と。
このエピソードに出合ったのは、ボクが松葉づえで歩く高校生……これからの前途にいろんな不安を抱いていた頃で、強烈に心に喰い込んできたのかもしれない。だが、これは天国についての話で、われらの世界では現実離れしていよう。人間社会では、この主人のやり方が評判になれば、たちどころに夕方から働きに来る者が増えて、ぶどう園は立ちゆかなくなる。だが、人間社会といえど、お金も有るところから無いところへ流れるのが自然だし、権力者たちの身勝手な使い放題が許されていい訳がない。
今回の給付金、政治の無策は市民で補うしかない。ボクは間違いなく貧乏人の1人だと自覚しているが、2万円がなくても今日と明日は生きていける。いま、ボクの2万円を必要とする人がいるだろう。政治がしないなら信頼できるNPOに託したい。
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