ゆめ風基金

特定非営利活動法人 ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.382007年9月19日発行

7.16 中越沖地震
被災障害者救援のご報告

被災した障害者の作業所やグループホーム、たまり場6か所に総額195万5千円の救援金をお届けしました。

がたがたになった歩道。点字ブロックが砂利化して途中で途切れてしまっている
壊れた点字ブロック

ゆめ風基金は、地震発生直後から、ゆめ風基金の新潟県の窓口である自立生活センター新潟(以下CIL)をはじめ、様々な障害者団体、災害NPOと連絡をとりあい、被災障害者情報収集につとめてきました。そして7月27日に自立センタースタッフが、8月12日〜17日にゆめ風基金と神戸の被災地障害者センタースタッフが被災障害者の支援と聞き取り調査を行いました。その結果、6つの障害者拠点と、4人の障害者が全壊、半壊の大きな被害を受けていることを確認、理事会において総額195万5千円の支援を決定し、CILにより8月16日に第1次救援金(100万円)、9月11日に第2次救援金(95万5千円)が届けられました。支援先は次の通りです。

柏崎市

柏崎市身障者福祉作業所に 50万円

この救援金が、被災した私たちにとってどれほど励みになるかはかりしれません。

(柏崎市身障者福祉作業所庭山さんの言葉)

17人の身体障害者、知的障害者が水道管の部品を作っています。メンバー半分以上が被災しました。家が壊れて遠い施設に入った人もいます。作業場は、作業に必要な作業台が壊れてしまい、応急処置でなんとか使っています。電話、パソコン、階段昇降機などたくさんの大切なものが壊れてしまいました。納期に追われ、片づけは後まわしのままです。

ハンデワークステージ たまり場喫茶めぐに 15万5千円

20人の身体障害者、知的障害者、精神障害者が働き、地域の人にランチを提供しています。市の補助金を受けずに売り上げだけで運営していますが苦しいです。屋根、ガス釜、電気釜、レンジ、食器などたくさん壊れました。メンバー3人の家が全壊しました。しばらく中断していましたが、みんなの強い願いで、8月20日再開にこぎつけました。

NPO法人トライネットに 10万円

トライネットの看板を背に救援金の受け渡し
自立生活センター新潟の圓山さん(左)とトライネット代表の西川さん

60人の知的障害児者のデイサービス、ヘルパー派遣、学童保育、相談活動などをしています。障害者の安否確認、サポート活動に奔走しました。壁にひびが入りました。

こすもす作業所 グループホームこすもす荘に 30万円

玄関のコンクリート製の階段がくずれている
こすもす作業所入り口

40人の精神障害者の働く場と生活の場です。地震で、地面が盛り上がったり沈んだりして水道管も破裂。テレビやパソコンが全部壊れて困っています。

刈羽村

小規模グループホーム夢工房に 50万円

知的障害者と精神障害者4人のグループホームです。制度に頼らずボランティアで運営。畑作業や空き缶分別で運営費を捻出しています。3年前の地震で被害を受け、今度も壁やガラスが殆ど壊れました。

上越市

NPO法人大杉の里に 10万円

大杉の里の看板を背に、救援金の受け渡し
大杉の里代表の藤田さん(右)

知的障害者11人で畑仕事をしています。地震で建物の壁や天井にヒビが入り、クロスがはがれました。

自宅全壊の障害者4人に(作業所を通して)お見舞金 30万円

新潟県中越沖地震調査報告

ゆめ風基金理事 八幡隆司

3年を待たずしてまたもや大地震

二階建ての工房
障害者の生きる場「夢工房」(刈羽村)

7月16日に新潟県でまたもや大規模な地震が発生したことを受け、ゆめ風基金として被災障害者の調査と支援に取り組みました。2004年10月に新潟を襲った大地震から今年は3年目。10月には前回の地震を教訓とした障害者の防災と復興について考えるシンポジウムを開催する予定でした。ゆめ風基金と地元の人たちとこの間シンポジウムについての連絡を取っていましたが、急遽災害支援のための連絡を取り合うことになりました。

ゆめ風基金が地元の行政、障害者団体と連絡を取る一方で、ゆめ風ネットとして協力いただいている自立生活センター新潟(以下CIL新潟とする)にも、地元との連絡はもちろん、被災地に出向いて調査をお願いしました。それらの調査の中で公的な補助を受けられない障害者拠点が5ヶ所被災していることがわかりました。

そのうち3か所への見舞金配布と2ヶ所の調査のため8月15日から17日にかけて被災地に赴きました。

2ヶ所の障害者拠点に特に大きな被害

今回訪問した中で、被害が最も大きかったのは新潟県柏崎市にある身障者福祉作業所です。この作業所がある通りでは、数軒おきに家屋が倒壊している状況で、柏崎市の中でも特に被害が大きかった地域です。代表者の方もリウマチによる障害がある方ですが、障害者が働き、ある程度まともに工賃がもらえる場所がこれまでなかったことから、老後のために蓄えていたお金をなげうって開設したとのことでした。この作業所の奥の木工製作を行っていた部分は全壊に近い状態で、危険で中の整理もできない状態でした。手前の下請け作業を行う部分にもある程度建物被害がある上、作業台を始め、多くの備品が壊れてしまいました。しかし作業内容が水道管の継ぎ手部分の組み立てで、地震の復旧作業に欠かせないせい製品であるため、仕事を休むこともできず、応急修理した状態でなんとか作業を開始しておられました。「ゆめ風さんは、被災後真っ先に電話をいただき、本当にありがたかった」と所長代理の庭山さんから感激のことばをいただきましたが、「代表が昔気質の人で、他人に甘えてはいけないという方針で、支援をほしいと思いながらなかなか具体的な支援要請ができなかった」とおっしゃっていました。今回の訪問で、ゆめ風基金の趣旨を説明し「他の作業所に比べても、ここが最も被害が大きいんですから、遠慮は要りません。みなさんから預かった基金を有効に使うことが私たちの仕事です」と話をさせてもらうと、「これからどうしようと思っていたので、助かります」と、あらためて支援が必要な実情を話していただきました。

自立生活センターの職員とエプロン姿のめぐのメンバーが握手している
自立生活センター新潟と喫茶めぐメンバーの交歓

もう一ヶ所被害の大きかった夢工房は刈羽村にあり、グループホームと障害者の作業所をしているところです。グループホームは人数が少ないため、ふだんの運営費すら行政補助がない上、今回の地震であちこちにひびが入り、建物に「要注意」の黄色い張り紙がされていました。入居者はいったん避難所に避難したが、障害者はとても生活できないと、危険ながらこの建物に戻って生活をしている状態です。作業所部分は農作業を主としており、災害後も休むと作物がだめになるので、通所できる利用者と共に世話をし続けていますが、いまだバスが復旧していない地域もあり、作業所に通えない利用者もいるということでした。

生活に大きなダメージを受けた障害者市民

三つ窓のある喫茶店の表。オープンエアの席もある
ハンデワークステージたまり場喫茶めぐ(柏崎市)

ゆめ風基金では被災した障害者個人に支援金を渡すことはしていませんが、その人たちが利用する障害者拠点を通じて、色々な支援を行うようにしています。前回の地震の時には障害者の方が住む家が全壊という事例はゆめ風基金の調査の中ではありませんでしたが、今回は4人の障害者の方の家が全壊していました。そのうちの3人の方は柏崎市にある喫茶めぐという障害者作業所に通う人たちで、一人は松風というミニコロニーといわれる居住型施設に避難し、後の二人は一人暮らしの自立生活を当面断念し、親元で暮らしている状況です。喫茶めぐも代表の方が障害者の働く場が必要だということで、ほとんど行政補助金をもらわず建設・運営しているところで、この建物の屋根の部分の瓦がずり落ちており、早急な修復が必要になっています。喫茶店を行うためのオーブンや食器なども壊れ、作業所再開のためには新しく備品の購入が必要であり、ゆめ風基金として再開のための費用や被災障害者に対する支援を目的として喫茶めぐへの見舞金を出すことを決めました。

この他柏崎市で多くの障害者市民の支援を行ったトライネットや、グループホームも運営するコスモス作業所(いずれも柏崎市)、上越市の大杉の里など建物や備品に被害のあった障害者拠点を訪問し、CIL新潟の圓山さんとともに見舞金を届けました。

訪問してわかる被害と生まれる絆

家財道具が倒れて、中身が散乱している
障害者事業所トライネット(柏崎市)

ゆめ風基金が支援を行う多くのところが、「ゆめ風基金の名前も知らなかったのに、こうして早々と支援をしていただき本当にありがたい」と言ってくださいます。電話で連絡が取れ、「被害があれば教えてください、必要な支援を行います」といっても、知らない団体からの連絡で最初は戸惑われている方も多いのですが、ある程度の把握をすれば、ゆめ風ネットのメンバーや事務局の人間が訪問し、「顔と顔の見える関係で支援を行いたい」という私たちの想いを伝えることができます。

まずできるだけ早く支援を届けると共に、一度きりの支援ではなく復興ができるまでずっと支援を続けることなど説明することで、驚かれると同時に信頼を寄せていただき、いろいろな話を聞かせていただくことができます。支援途中には共同募金会の助成など、利用できるものは利用してもらうのですが、今回は訪問先で共同募金会の方とも話ができ、連携がうまく取れる見込みができました。

柏崎市の身障者福祉作業所のように、被害が大きくても遠慮される場合もあります。しかしどこの拠点も代表をはじめそこに通う障害者の人たちが頑張っておられ、私たちはお金と共に基金を下さったみなさんの気持ちを届けるようにしたいと考え話をさせていただきます。実際に被災地を訪問し、被災地の方に会うことで私自身が元気付けられることが多くある訪問でした。

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