ゆめ風基金

特定非営利活動法人 ゆめ風基金

〒533-0033
大阪市東淀川区東中島1-13-43-106

TEL:06-6324-7702
FAX:06-6321-5662

MAIL:info@yumekazek.com

障害者救援活動にご協力ください

障害者救援金
送り先
郵便振替口座
00980-7-40043
ゆめかぜ基金
その他の振込方法

ゆめごよみ風だより

No.302005年9月17日発行

集中豪雨における
障害者市民の避難のあり方について

6月27日から28日にかけて北陸などに豪雨があり、新潟県、石川県の三つの市で「避難準備情報」が出されました。「避難準備情報」というのは高齢者市民や障害者市民ら避難に時間がかかる人に、いち早く安全な場所に逃げてもらうために、内閣府が3月にまとめたガイドラインで新たな制度として打ち出したもので、今回初の発令となりました。

三条市では「避難準備情報」が発令されたことで、173人が公民館へいち早く避難した一方、避難所へ行っても生活ができないということで避難を拒否した障害者、高齢者がいたということです。単に時間的に早い段階で避難のための情報を出すだけでなく、避難場所までの移動方法や避難所での人的支援・環境整備を含め条件整備が必要です。このことを多くの方に知ってもらい、行政側でも早急な対応をしていただくため、【ゆめ風基金】は他の団体と協働し、声明文を発表しました。

緊急共同声明

こんにちは!居ても立ってもおれず、ここに緊急声明を致します。

さて、ことしは梅雨入り後、あまり雨が降らず水不足を心配していましたら、6月末になって列島の中ほどを梅雨前線が居座ることになり、新潟をはじめ富山、石川、長野、福井あたりに集中豪雨の被害が出始めました。特に昨年大災害に見舞われた新潟地域では、地盤の緩んでいる地域もあり、事前にしかるべき対応が求められています。そんな中で例えば三条市では迅速な行政の動きに呼応する形で民生委員、町内会長などが住民それぞれに個別に声をかけ、情報を伝えたり、特に高齢者や障害者には早めの避難を勧めたりしました。このニュースに接した私どもは「昨年の被災体験が活かされた」と強く感じました。

ところが、早めに声をかけられた高齢者や障害者の中には、「避難への誘い」を拒んだ方がいました。なぜか。理由はいうまでもなく避難所の方が生活できないからです。10年前の阪神・淡路大震災の折、車椅子を使用する人は避難所では身動きできず、半壊の自宅に戻り怖い思いをしながら生き延びたのでした。その教訓が生かされないままの9年後の新潟大震災、新潟の障害者たちは(昨年の体験から)避難所に行っても配慮のない場所ではかえって不便になることを知っていて、早めの避難所への誘いを拒んだのです。知的障害や精神障害の人たちも同じです。配慮のない避難所では極めて生活しづらく、家族がバラバラにされてしまうのです。

このような過ちをいつまで繰り返すのでしょうか、人間社会はどのような状況に置かれても、まず一人ひとりの「命と暮らし」が最優先されるはずです。災害、防災に携わる責任者、関係者のみなさま、この現状を一日も早く解決して下さることをお願いします。この緊急声明には、当事者団体はじめサポーター団体も名をあげています。サポーター団体はこの訴えに対して当事者と共に改善されるよう主体的に取り組みます。

2005年7月1日
呼びかけ団体代表
被災障害者を支援する特定非営利活動法人 ゆめ風基金 代表理事 牧口一二
呼び掛け団体 特定非営利活動法人 自立生活センター新潟 理事長 篠田隆
特定非営利活動法人 地域助け合いネットワーク 代表 吉川静
震災がつなぐ全国ネットワーク 代表 栗田暢之
特定非営利活動法人レスキューストックヤード 事務局長 浦野愛
阪神・淡路大震災 被災地NGO恊働センター 代表 村井雅清
特定非営利活動法人 被災地障害者センター 代表 福永年久
賛同団体及び個人(8月11日現在 116団体・個人)

共同声明後の動き

7月1日に共同声明を発表した後、呼び掛け団体では行政をはじめとした関係機関に、もっと具体的な提案をしていこうと決めました。

そのため「避難準備情報と障害者市民の避難のあり方についての提言」をいち早くまとめました。「提言」では、障害者市民が単に保護の対象とされるのではなく、防災計画作り、避難所の運営マニュアルづくりなど、危機管理の担い手として、積極的に参加できるしくみづくりが必要であることを中心に据え、まとめています。

障害者市民が災害時に避難を行うにあたっての課題は次の4つの場面で考えられます。

  1. 「避難準備情報」を必要とする障害者市民の把握
  2. 「避難準備情報」の伝達方法
  3. 具体的な避難方法の準備、避難場所の確保
  4. 避難所で障害者市民にとって必要とされる環境の改善

ただこの4つの場面での課題と解決策を考えるときに、障害者市民が守られる対象になってしまい、障害者市民の主体性が忘れられるのです。

私たちは「行政や障害者市民を支援する側がこれらの場面でいかなる対応を考えるとしても、常に障害者市民の主体性を重んじ、自己決定と自己選択が尊重されなければならない。」と考えます。

その上で集中豪雨等における障害者市民の避難のあり方のポイントを次の3点と考えました。

  1. 障害者市民自身が危機管理できる情報提供・協議の場を保障する
    (障害者市民に関する防災マニュアル作成には必ず当事者が参加できるようにする)
  2. 障害者市民自身が避難手段を考え、行政を柱としつつ障害者市民を支援する様々な社会的資源を駆使して環境を整備する(安全だけでなく、安心も整備)
  3. 避難の具体的な手段等は多様な選択肢を準備し、障害者市民自身が自己決定を行うことをサポートする

提言は9月初めに内閣府や自治体に提出します。

©ゆめ風基金