ゆめ風基金

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ゆめごよみ風だより

No.202002年10月26日発行

自治体の防災対策と障害者

八幡隆司
(箕面市会議員、障害者の政治参加を考えるネットワーク)

生かされていない教訓

各自治体の防災計画の中で、障害者に関わる部分について見てみると、阪神大震災以降もあまり変更点はなく、NPOや民生委員を中心に安否確認を行う項目が加えられているぐらいというのが実情です。

相変わらず役所の民生部局の担当者は物資の供給などを担当しており、障害者や高齢者に向けた人的配置が明記されているとは言えません。

また、障害者の安否確認に必要な名簿を作るため、登録を行うことにしている自治体は多いのですが、実際の名簿登録はほとんど進んでいないと言えます。

障害者団体の会員名簿や障害者手帳を基とする情報など、市役所がもつ情報をボランティアに渡してはどうかという話もありますが、緊急時だからと言え、名簿流出が許されるわけではありません。

また最近は、消防署との連携で緊急対応システムを構築しているところもあり、消防署が障害者や一人暮しのお年よりの人たちの把握を行っているところがありますが、大災害が起きたときの消防活動は非常に大きな位置を占めるため、日常の緊急対応はできても大災害時に対応できるものではないと考えます。

名古屋市の試み

名古屋市では【ゆめ・風ネット名古屋】のメンバーが障害者議員として活躍しています。彼の報告によれば、2年前の集中豪雨の際、災害ボランティアネットワークというNPOが市役所の中に活動場所が与えられ、役所と連携を取りながら支援活動ができたそうです。また現在、市の主催で災害ボランティアコーディネーターの育成を行っているということです。

ボランティアと行政の連携は非常に大事なことであり、今日のように多様なNPOが誕生している中で、日頃から行政がきちんとNPOを意識し連携を図るために支援活動や防災についての会議を行う姿勢をもつかどうかが重要なポイントだと思われます。一般の市民団体も含めて災害ネットワークを構築し、連携できたことは評価してよいと思います。

また災害ボランティアコーディネーター育成という取組は非常に珍しい試みで、今後こうした積み重ねの中で、新たな災害対策が生まれてくる可能性もあり、他の自治体でも取り組んで欲しいと思います。

今後に向けて

阪神淡路大震災では無認可の作業所や障害者活動拠点が大きな被害を受けましたが、これら草の根団体に対する災害支援がきちんと補助要綱に示されているところはほとんどありません。私の住む箕面市では市の補助要綱に、運営補助だけではなく「災害被害に対する補助」という項目を付け加えました。

防災計画全般に言えることですが、大きな災害が起きた場合、一自治体の力ではどうにもならないのですから、他の自治体との協力態勢をあらかじめ確認しておく必要があると思います。

また、安否確認について言えば、名簿を扱うことはプライバシーに関わることであり、他の自治体からの支援を含め、行政が直接責任を持てる形で安否確認を行い、必要な援助に関してはボランティを含めた対応をしていくということが必要ではないでしょうか?

重要な「現場での判断」

最後に緊急時の対応として非常に重要なことは日常ではありえない「判断」を次々に下していかなければならない状況の中で、現場の人間がきちんとした権限と判断能力を備えるような体制がとられているかということです。阪神大震災時には公平性を求めた結果、配られなかった物資がたくさんあったり、学校などの避難所にトイレが不足していても保健所の指示を求めた結果、仮設トイレが作れなかったということがありました。「非常時対応マニュアル」の作成や、いざというときの障害者の自己決定についてどう考えるかなど、防災についてまだまだ検討しなければならない課題は多いと思います。

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