2016/10 大規模災害 いつまで続く 取り残される障害者
〜障害者の避難、避難生活を円滑に進めるにはどうすればよいか?〜

  10/9の防災シンポジウムは準備した200部の資料がなくなるほど、大盛況でした。
東北や関東四国などかなり遠方からもたくさんかけつけて下さり、本当にありがとうございました。

  基調講演では立木さんより、「東日本大震災で障害者の死亡数が一般の人に比べて2倍といわれているが、細かく見れば宮城の在宅障害者の死亡 数が高いことが分かる。施設にいれば安全ではなく、自立している障害者の安全性を高めることが不可欠。それには石巻市八幡町のように地域で障害者の見守り 体制を作ることが一番。昨年仙台で世界防災会議が行われたが、そこでインクルーシブ防災ということが言われた。
 それは誰も排除しない。されない。させない防災の体制を作っていくこと。熊本地震では熊本学園大学がまさに豪的配慮を行う避難所を作った。あるホテルで は駐車場に避難している人のうち、高齢者、子ども、女性を優先してホテルを使ってもらった例もある。神戸では地域力が高いところほど要援護者の避難支援が できると答えている。今後は地域力高めて、誰も排除しない避難計画作ることが重要である。」と話されました。

  またシンポジウムでは吉村さんから「大学では1年前から大学が避難所になったらどうなるか?障害のある学生をどう守るかなど試行錯誤を繰り 返していた。その結果が今回の避難所につながったんだと思う。」と話され、植田さんからは当事者の立場として「一般の避難所には僕たちは行けない。友達が 一般の避難所へ避難しに行ったら、ケガもしていないのに救急車を呼ばれたという事例もある。障害者にとって一般の避難所はトイレも使えない過酷な環境」と いう話がありました。
  では福祉避難所とはどういったものなのかと阿部さんに尋ねたところ「事前に思っていた協定と実際とはずいぶん違う。とにかくマンパワーが不 足していた」。鈴木さんからは「自分も24時間勤務みたいになって、どこまで仕事かボランティアかはよくわからない」と話されていました。

  今後どうしていけばよいかということについては植田さにより「本当は障害者が福祉避難所を求めるよりは一般の避難所が合理的配慮をしてくれ ることが大切」といわれたように、ふだんからの地域づくり、近所の人とに関係性を大切にしながら、障害者=福祉避難所ではなく、一般の避難所で障害者が避 難できることを求めながら、必要な人には一次避難所として、福祉避難所を開設することも重要であるなどが話されました。
  詳しい内容は下記にあるPDFファイルにてご覧ください。
  シンポジウム登壇いただいた方、またご参加いただいた方々に改めてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました


 基調講演資料(PDF)

 シンポジウム資料(PDF)

 立木さん資料(PDF)

 吉村さん資料(PDF)

 植田さん資料(PDF)

 阿部さん資料(PDF)

 鈴木さん資料(PDF)

 参考大阪府自治体アンケート資料(PDF)