原発災害と障害者シンポジウム報告

 ゆめ風基金の総会翌日3月27日の午前中に表題のシンポジウムを行 いました。今回のシンポジウムは2014年〜2015年にかけて全国5カ所(鹿児島、島根、鳥取、青森、福井)で行われた「障害を持つ人と共に考える防災 ワークショップ」の最終報告会として行いました。

 まず初めに福島県南相馬市に住む青田さんでは、「現在福島で避難区域解除が段階的にされているが、放射能汚染を考えると本当はみんな帰りたくない。だけ ど仮設住宅では死にたくないと考えるお年寄りが、死に場所としてふるさとを選んでいる。先に解除された楢葉町では6%の人しか帰ってない。みんなお年寄り ばかりだ。」
また低レベル放射能の処分場がないことで、被災各市町村は受け入れざるを得なかった。ただ自分たちはそれでよくても、子どもの未来を考えた時、放射能のご みがいっぱいあるところで、そこに住みたいかということを考えると胸が痛む。」などの話をされました。

 鈴木絹江さんは、被災当時福島県田村市に居住しており、現在は京都に住んでいる。「なぜ京都かと聞かれるが、とにかく放射能の影響から逃れるためには名 古屋は越えなければならいと思った。それでも地元の支援を続けたいので、地元に自動車でぎりぎり行けるところが京都だった。」と話されました。その後の避 難の様子を話された後、「原子力の問題は何も終わっていない。東電の電気は東京の日が最も使っている。だったら放射能のごみを福島に押し付けないで、東京 の人が各家庭にごみ袋2個分抱えてくれたら、問題は解決する。自分もふだんの生活で電気をできるだけ使わないようにしているが、それでも関電の原発に何か あったときは、自分もその責任を負わないといけないと感じている。」と話されていました。いかに何気なくふだん大量に電気を消費し、原発を動かさざるを得 ない状況に陥れている自分たちの生活をどう変えるのかということを考えさせられました。

 水谷さんからは各地で行ったグループワークの説明をしてもらいました。原発事故を想定して例えば避難所まで逃げるかどうかということについてYesか Noで答えてもらい、その理由をみんなで討論してもらうという形でグループワークを行ったと報告がありました。

 今村さんからは2011年に行かれたドイツエコツアーの様子を話していただきました。ドイツでは持続可能な街づくりのために、自家用車を使わないで暮ら せる工夫や暖房効率を上げるための工夫など様々なことを試みています。何も手を打たない日本の町はやがて壊滅状態にるとも指摘されています。今村さんから も今の生活の見直しが迫られていることが指摘されました。

 設楽さんからは最近の福島がどうなっているのかを映像で紹介されました。そのうえで原発は絶対止めなければいけなことも強く訴えられました。
 最後に鈴木匡さんより原発の影響で子供の甲状腺がんが増えていることが紹介されました。

 開催会場が体育館ということもあり、とても寒いところだったのですが、それでも90人ほどの参加者があり、熱心に聞き入ってくれました。参加者のみなさ ん、シンポジストのみなさんには心よりお礼申し上げます。


 青田さん資料(PDF)

 鈴木絹江さん資料(PDF)

 水谷さん資料(PDF)

 今村さん資料(PDF)

 設楽さん資料(MP4)

 鈴木匡さん資料(PDF)

 障害者出前講座について(MP4)