「まちなか被災シミュレーション」に参加しました!

体調が悪くて、少しお休みを頂いていた、事務局員・長崎です。
遅くなりましたが、標記の件、初めて参加したので、じっくりご報告いたします。
「まちなか被災シミュレーション」について はここをクリック!
『ガイドヘルプ等で外出機会の多いボランティアやガイドヘルパー、障がい当事者の方が、初めて訪れた土地で災害にあっても無事に避難できるよう、避難訓練と避難のための情報収集にチャレンジする』、それが「まちなか被災(災害時避難)シミュレーション」です。
今までに、大阪市北区(扇町・中崎町・南森町・天神橋筋商店街・梅田)、大阪市福島区(野田阪神・大阪市中央市場)
兵庫県新長田、伊丹、三田で開催。
今回は、大正区でした。

アロハシャツを着ているのがスタッフ。
まずは、商店街をぶらぶら~探索します。
沖縄からの移住者が多いことで有名な大正区ですが、残念ながら、当日は、半分ほどのお店のシャッターが閉じていました。
休日なのか、廃業したのか・・・。
どこの商店街も抱える、「空き店舗」が目立ちました。
このお店を借りて何かできないかな~などと思いつつ、歩みを進めます。
今回は、20人ほどの参加者で、2班に分かれて行動しました。
1時間ほど、歩いて、地元の名所らしきところを目指します。
ちょうど、商店街に置いてあった、「大正区マップ」を手に入れられたので、珍しい「渡船場」へ、てくてく・・・。
マップを見て驚いたのが、大正区は、川に囲まれた地区だということです。

「こういう機会がないと、なかなか「区全体」を知ることは、まずないなあ・・・。」
「そうそう!ここのお店に行くっていう、『点』だけしか調べていかへんよねえ~」
「うんうん!もしものことなんて考えてないよなあ。」
と、話ていると、大きなメガネ橋が見えてきました。

スタッフが走って見てくれてきたのですが、どうやら車だけでなく、自転車なども通行できるようです。
「もしものときは、ここに逃げる?」
「でも人が殺到しそうやねえ・・・」
「パニックになった人の行動は予測不可能やし、こればかりは・・・。」
隣の区に渡るのに、橋もありますが、住民がよく使っているのは、「渡船」。

結構きつい勾配。
電動車いすなので、なんとか行けますが、手動車いすでは、ちょっと怖いし、大変かな?
雨が降っても、ずるずる滑りそうで・・・。
なんとか坂を上りきると、

向こう岸から、自転車や学校帰りの児童が渡船でこちら側に渡っていました。
写真でかすかに見えますが、向こう岸はすぐそこ。
乗りたいね~と言っていると、スタッフが
「さあ、今地震が起きました。1時間後に津波が来ます。どうしましょう?」とグループみんなに問いかけます。
たまたま「大正区マップ」を持っていたので、「高いところ」を探しましたが・・・。
大正区には高層ビルもほとんどなく、10階以上のマンションも、低層階の人や近隣住民が殺到するだろうし
とりあえず、「昭和山」という、標高33メートルの山を目指そうと決めました。
私がいたグループは、子供さんも3人いて、道中は、遠足気分でしたが、
もし、実際に、知らない土地で地震にあったら・・・と、参加者みんなで話しあいながら進みました。
およそ1時間後、なんとか昭和山の頂上に到着。

ちょっとわかりにくいですが、かなり急勾配の所もありました。
それでも。頂上まで、ジョギングしている人とすれ違ったり、地元の人たちが散策したり、子供連れで遊んでいたりと
のどかな感じ。
もしも・・・のときに、ここに住民が殺到したら、大変だね、何人くらい避難できるんだろね、
途中、避難経路の案内板みたいなものが全く見えなかったけど、大正区の人は、避難訓練などどうするんだろうね・・・
などなど、みんなで疑問点などを話し合いながら、大正区役所へ。
もう一つの班と合流し、今回、感じたことを発表し合いました。

まずは、グループトークで、感じたことを出し合います。
すでに書いたこと以外に、
・液状化の心配
・マンションに、ほかの住民が避難してもOKの表示があったらなあ
・阪神高速の上にのぼる
・渡船は有事は「運行できない」と言われたので、大きな橋「めがね橋」に逃げるとか?
現地を歩いたからこそ分かる実感がたくさん出ました。
そして、2班の意見をホワイトボードに書きだします。

本当に、その土地を歩いてみないと、地図だけではわからないことがたくさんありました。
私たちのグループでは、「有事の際には渡船は避ける」という結論でしたが、
もう1班の、「地元の人」がいるグループは、
「渡船で、ほかの区に逃げる、それが一番!」とおっしゃっていて、地元の人の考えとの相違に
ちょっと驚きました。
渡船が、何回も何回も往復して、住民を対岸に運んでくれるのか、人が殺到したらどうするのか、そもそも津波が来るかもしれない、という想定下なら、渡船を運転している人だって、助かりたいはず。
一回、向こう岸に渡ってしまえば、再度戻ってくる保障はないよなあ・・・渡船は「大阪市公営」だけど、有事の際の規定はどうなんだろう、と心の中でつぶやいていました。
初めての参加だし、「スタッフ」もそれが正解っていうならもう意見は言えないよなあ~と思っていると
別の初参加者が
「大勢の意見に従ってしまった。流されたというか・・・。集団心理の怖さがちょっとわかりました。」
と発言。
そうそう、この「集団心理」が、ややこしいんですよね。
はたして最善の選択ができるのか。
自分の意見、考えを持っていても、周囲に流されることはよくあります。
非常時に、みんなが助かるには、やはり、常日頃からの避難訓練や危険個所の確認、
避難経路の確保など、できることはたくさんあります。
何もないからこそ、できること、それはきっと「過去の経験」を活かすこと。
日本は、未曽有の震災をたくさん経験してきました。
その経験を活かし、その地域の特性を考え、何が最善か、考え続けることが、
皆が助かる術だと、改めて感じました。
さて。
次回は、たぶん、地下街に挑戦です。
「ゆめごよみ」の最新号対談でも出ましたが・・・。
大阪は、地下が迷路状態です。
他府県から来た人に「梅田ダンジョン!(ゲーム用語で「地下迷宮」の意)」と呼ばれている、
「梅田地下街」を攻略する予定です。
詳しいことが決まったらまたお知らせいたします。
皆さんも、一度参加されてはいかがでしょう?
普段、何気なく通っている道、場所が、きっと変わって見えます。
以上、事務局員・長崎がお伝えしました!
スタッフの皆様、お疲れさまでした!