蓮舫大臣に骨格提言を手渡す―第35回障がい者制度改革推進会議―

障害連事務局FAXレター No.226 2011.9.26(月)
蓮舫大臣に骨格提言を手渡す
―第35回障がい者制度改革推進会議―
蓮舫内閣府特命大臣に対し、会議の終了間際、総合福祉部会の骨格提言が手渡された。
蓮舫大臣は「みなさんの熱い議論でつくられたこの提言、活かしてくれるように小宮山厚生労働大臣に伝えます」と挨拶した。
9月26日(月)、障がい者制度改革推進会議(第35回)が行われた。
まず、総合福祉部会でまとめられた骨格提言の説明が佐藤部会長と尾上副部会長からあった。
この中で佐藤部会長は障害の確認に関連して「そのひとが何ができないかに着目するのではなく、なにに不自由し、なんの問題を抱えているかという視点で、福祉サービスが行われるべき」とした。
さらに、重度障害者が地域生活を営めない現状に対しての問題提起があり、それについては「今後しっかり検討しなければならない」と藤井議長代理は述べた。ただ、利用者負担との関係については大金持ちであろうがなかろうが、「障害ゆえにかかる費用については原則無料とすべきである」との見解も佐藤部会長、尾上副部会長からあった。
「財源確保のために消費税の議論を」という問題提起に対して「諸外国において消費税のとらえかたが違い、一言で“消費税”という単語を使うのはいかがかという応答があった」
ところで、合同作業チームの報告では、変更点が明らかにされ、医療合同チームが出した保護者制度を記した部分について「保護者制度の問題点を解消するために、扶養義務者等に代わる人権擁護制度の確立を検討すべきである」としたとのことであった。
東室長は質問に答え、「確定的なことは言えない」と前置きし、「総合福祉部会は8月30日で解散したつもりはない。なんらかの形でフォローしていきたいが厚労省の意向もある。合理的配慮については多分野にわたる差別禁止部会で、議論したい」と述べた。
次回、10月24日(月)
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今年の大フォーラムは、10月28日(金)
毎年、秋おこなっている全国大フォーラムは、今年は10月28日(金)に、日比谷野外音楽堂を中心に行います。今年の主催はJDF(日本障害フォーラム)で、障害者団体みんなで、総合福祉部会での骨格提言を実現させていこうではないか、ということで行います。
状況は、決して楽観できるものではありません。この10.28大フォーラムを皮切りに、来年の総合福祉法の成立まで、知恵と力と優しさを結集して、ベストを尽くしていきましょう。

欠格条項の見直しを ―ヒアリング行う、差別禁止部会(第8回)―

障害連事務局FAXレター No.225 2011.9.12(月)
欠格条項の見直しを
―ヒアリング行う、差別禁止部会(第8回)―
9月12日(月)差別禁止部会(第8回)が行われた。
この日は前回に続く総論の続き、欠格事由に関するヒアリング、条例に基づく救済に関するヒアリング、が行われた。
総論の続きでは、太田は「悔しい不当な扱いをされたときに訴えられる法律をつくるという視点で類型化の議論をしてほしい」と主張した。
また「差別類型について例示していき、例外規定も多く認めるべきだ」とする意見が出る一方で、「差別とは何かをしっかりおさえないと技術的な議論に入り込んでしまう危険性がある」などの指摘もされた。
さらに男女雇用機会均等法の例もあるので、積み上げていくことも大切という意見もあった。
いずれにしても今後議論のたたき台をつくり、それによって議論をすすめることとした。
救済機関のあり方については東室長は「人権救済法の動向を見据えながら、この部会でも議論して欲しい」と答えた。
第2コーナーは欠格条項をなくす会の臼井久実子氏から、欠格事由に関するヒアリングであった。
「現在も労働、教育、住宅などあらゆる場面で欠格条項が残っている。差別禁止法を制定するときは、権利条約で「差別となる既存の法律、規則および慣行を修正し、または廃止」とある通り、欠格条項も廃止してほしい」ことを強調された。
また臼井氏は、質疑の中で「欠格条項という制度という形ではなく、個別にアセスメントしていくことが重要」とした。
また、「成年後見を受けると選挙権が奪われる」という事例について、そういうことを是正させる国会議員自体を選ぶ権利さえもが奪われてしまっているという指摘があった。
第3コーナーは千葉県の条例についてのヒアリング。千葉県障害福祉課の横山正博氏からあった。条例の概要や制定過程について説明があり「タウンミーティングを重ねていくことによって、いろんな経緯があったが県民の理解を得ることができ現在の条例となったことを語った。」
質疑では「どんな課題が今、あるか」というようなことが聞かれ「権利侵害の具体的なメルクマークが明確でないこと」などがあげられた。
この条例の制定に携わった野沢委員から「精神障害者、知的障害者にとっての合理的配慮とは何かを考えさせられた。事務局であった横山さんは当事者ととことん話し合い納得を得る形で条例が制定できた」と語った。
次回、10月14日(金)

ジャマイカから

ジャマイカから1
 ゆめ風基金では3月11日以後、大阪の事務所での基金領収書の発送作業、支援Tシャツの共同購入、募金の働きかけ、現地での支援活動など、若い人たちのネットワークに助けられてきました。
 もちろん、16年前の阪神淡路大震災を体験してきたひとたちに支えられていることにはちがいないのですが、若いひとたちのみずみずしい感性に学ぶことが多く、それがとてもうれしいのです。
 その中の一人、Nさんからうれしい手紙をいただきました。Nさんは日本国内だけではなく、ハワイやジャマイカ在住の友人にも働きかけをしていただき、募金活動や支援Tシャツに協力していただきました。
 ありがとうございました。
 「私の友達がジャマイカ滞在中に出会った男性との間にめでたく子供が生まれ、ジャマイカで生活しています。彼女の協力のもと、ジャマイカの首都「キングストン」で日本人向けゲストハウス「ラブリッシュ」を経営しているJUNさんにもゲストハウスに募金箱を設置して頂いています。写真添付します。」
ジャマイカから2
ジャマイカから3

総合福祉部会骨格提言まとまる、総合福祉部会(第18回)

障害連事務局FAXレター No.224 2011.8.30(火)
総合福祉部会骨格提言まとまる、総合福祉部会(第18回)
―完全実現をもとめて「秋の陣」―
 いよいよ総合福祉法の骨格提言がまとめられた。8月30日(火)の総合福祉部会(第18回)は、大詰めの白熱した議論が交わされた。
はじめに佐藤部会長からこれまでの骨格提言の議論から、今回の部会での大きな修正点が明らかにされた。・利用者負担については、無償としていたが、高収入者については応能負担を取り入れる。・入所施設を地域移行から支援体系の中に位置付ける。・介護保険での関係については対象年齢となったとしても、従来通り総合福祉法でのサービスを受けられる、等々であった。
続いてこれまでの議論からの最終的な修正点について説明があった。
名称は障害者総合福祉法とすることや、ニーズアセスメントによる支給決定については試行事業を行ってから導入する、とした。
 そして障害の定義は混乱を避けるため、障害者基本法と同じものにしていく、とした。
自立支援医療については、総合福祉法施行をまたずして速やかに無償とすべきだとした。
駒村委員からは、増税という表現を具体的に盛り込むべきだという意見が出されたが、その問題は、別の機会で行うべきだということで、まとめられた。
ALS協会の橋本委員からは、「コミュニケーション支援という言い方では弱いのではないか」という指摘も出され、基本的には意志疎通も含まれていることを確認し、「自らの選択による」という意味を付けくわえる、補強修正を行うこととなった。
疾病と障害の確認では「難病の場合、病名がつけられず、しかし長い期間生活上の困難にあっている人たちがいる」という意見がだされた。
支給決定と合議機関のあり方については、本人参加の保障や、支援者の参加の保障について確認がされた。一方で自治体としては基準がないと円滑に進められないという危惧もだされた。
協議調整モデルの議論が今ひとつ深められていないようで、新しい試みとして期待できるその反面、自治体の財政状況によって決定内容が違ってくるのではないかという心配もある。 地域の運動が重要である。
 デイアクティビティセンターのあり方については、自立支援法を継承するものではなく「障害者が主体的に地域で活動する拠点として位置づけるべき」という修正提案がだされ、そのようにしていくことになった。相談支援機関の在り方について何人かから意見がだされ、難病とみられる、総合福祉法の対象者の可能性のある者も含めることも大事、という補強意見がだされた。
 さて今回の骨格提言では、合同作業チームの報告も盛り込まれており、そこの医療の部分で、「保護者制度の廃止と、それに代わる公的機関の創設」があげられており、山本委員は「保護者制度の廃止は良いが、公的機関をつくることは、さらにおそろしいこととなる。社会的入院患者も増えかねない」とした。結局この件については意見がまとまらず、作業チームの堂本座長や、部会三役で表現をつめることになった。
 修正部分については、部会三役に一任される形で、総合福祉部会の骨格提言は、まとめきることができた。部会三役をはじめ関係者の努力の成果である。今後は「推進会議でフォローアップしていきたい」(東室長)とのことである。
 いずれにしても、部会構成員55名が1年半という短い期間で、ここまでの提言を作り上げたことは画期的でその完全実現が求められる。
 JDFなど障害者団体は一丸となり、政府・厚労省に働きかけていかなければならない。
「秋の陣」は早速始まっている。
総合福祉部会のページに今日の資料があります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/index.html
お知らせ
障害者・患者9条の会
2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
「平和に生きる権利を いま、何を学び、何を行動するか」
日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分~16時
会場 東京都障害者福祉会館(田町)
   http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/syoukan/toiawase/index.html
○記念講演 中澤正夫(精神科医)
  「ヒロシマとフクシマ -目を背けてはいけない史実と事実」
○特別報告
  石川勇(東京肢障協)「空襲、闇市世代、それから」
  坂下共(きょうされん)「軍隊を持たない国 コスタリカの今に学ぶ」
参加費500円
○詳細は http://www.nginet.or.jp/9jo/index.html

なぜ合理的配慮は必要か

障害連事務局FAXレター NO.223 2011.8.12(金)
なぜ合理的配慮は必要か
―難しい直接差別と間接差別の境目、差別禁止部会(第7回)―
8月12日(金)差別禁止部会(7回)が行われた。
はじめに、差別類型をめぐって議論した。
合理的配慮の必要性については、機会の平等を実質的に保障するという観点では委員の意見はほぼ一致していた。
太田は、車イスの入店拒否や、新幹線の自由席でデッキに乗せないなどの例を挙げ、大袈裟なことをしなくても少し柔軟な対応をすれば差別されなくても済む場合が多い、ことを言った。
また、他の委員からも文明や科学の発展から取り残されたマイノリティーの人たちへの配慮というか「義理」みたいなことが求められている、という意見があった。
直接差別・間接差別・合理的配慮の不提供など、差別類型については、直接差別に重きを置いたほうが裁判がしやすくなるという意見も出た。
一方で類型はシンプルにしたほうがわかりやすい、立証責任などとからめた議論にしないほうが良いと、いう意見もあった。
さらに、ひとつのルールで考え、ルールから外れた対応をする差別と、そのルール自体が不公平な差別とがあり、それは直接、間接という考え方では割り切れないものである、という意見もあった。
あるいは、類型化していく意味が本当にあるのか、という疑問も提起された。
差別の正当化事由(差別しても仕方がないと思われること)については大方の委員の意見は公的支援のあるなしによって正当化事由は認められない、でまとまっていたように思う。
企業や団体などの組織運営にあたって、当初から障害者の存在を前提とすべきという意見があった。
立証責任については、差別類型毎に、受けた側にあるかした側にあるかが、変わってくるという意見が出た。
太田はなるべく簡単に障害者が問題提起できるような仕組みが必要であると、強調した。
さらに差別禁止規定のあり方については包括規定と同時に各分野ごとの規定も必要だと主張した。
 最後に、池田直樹弁護士からのヒアリングがあり、鉄道会社を相手にしたエレベーター設置訴訟や、車いす用トイレ整備訴訟などの報告を受けた。障害者基本法はガイドライン的性格を持つので、争いにくかった。差別禁止法は個人救済に焦点が当てられるので、政策論的な法律と、個人救済的法律と両方が必要であると述べた。
次回、9月12日(月)
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【お知らせ】
障害者・患者9条の会企画
2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか
 日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分~16時
 会場 東京都障害者福祉会館(田町)
記念講演 中澤正夫(精神科医)
     「ヒロシマとフクシマ -目を背けてはいけない史実と事実」

いま、八合目か?もっとも苦しいとき、総合福祉部会(第17回)

障害連事務局FAXレターNo.222 2011.8.9(火)
いま、八合目か?
―もっとも苦しいとき、総合福祉部会(第17回)―
8月9日(火)総合福祉部会(17回)が行われた。7月26日発表された骨格提言素案の修正等に関する意見交換が中心となった。
その議論に入る前に、これまで違う意見が出ていてもきちんと討論していない。少数意見を尊重して欲しいし、また今後どうやって調整をしていくのか、などの意見がだされた。これに対して佐藤部会長は、「少数意見であっても、重要なものはきちんと明記していきたい」とした。
また最終を8月30日とするのはどうにかならないか、との意見も出された。佐藤部会長は、「新法をつくるにあたって4ヶ月ぐらいの準備期間が必要と厚生労働省は言っている」と答えた。
さらに、「地方自治体の意見をきちんときいてほしい。せっかくの地方の新法がだめになる」との指摘もあった。
骨格提言の法の理念目的では、介護保険優先原則についてのさまざまな問題提起があった。ALSの人が地域生活を行う場合、難病として介護保険の対象となってしまい困っている、という意見もだされた。一方で65歳以上の要介護者が障害者手帳をとり、貧困ビジネスのようなものに利用されているという実態も明らかにされた。
OECDの障害者予算の平均を上回るように、という記述に対しては「今の2倍以上の予算が必要となり現実的な緻密な試算が必要ではないか」という意見がだされた、これに対しては尾上副部会長から「そういう意味でも総合福祉法の輪郭を明らかにして、厚労省に試算をしてもらわなければ話が始まらない」とした。地域移行や重度障害者の長期間介護における国負担の割合を高めていくことが提言に盛り込まれ、自治体の負担割合を低くするため出身地の負担を入れるという考え方も示されているが、それについては賛成反対の意見が出された。
医療では、精神障害者の保護者制度について、「家族の負担を軽くするため保護者制度の廃止が必要」とする意見と、「保護者制度を廃止しそれを新たな公的機関が行うならば反対」とする意見、さらには「家族でも保護者の役割をしたいという人もいるのではないか」との意見に分かれた。
さらに、「精神医療を受ける人は年々増え大きな問題となっている。この状況を止めなければならない」との意見も出た。
 障害児支援では、施設について障害の一元化ということが、盛り込まれていたが、様々な障害のある人がいることから、「慎重に段階的に」という意見が出た。また特別支援学校の寄宿舎のあり方についてはその充実を求めていく意見が出され、大谷座長は「学校教育法の位置づけをきちんと整理しなければならない」と答えた。
労働では賃金補てんのあり方について議論され、「所得保障制度と絡めるべきではない」とする意見と、「所得保障のあり方に関係する問題」の意見が出た。
きちんと今後も労働のあり方については、議論すべきである、との指摘も出された。
 部会の終了間近に、修正意見を反映させた新しい骨格提言案の議論に入ったため、一時、緊張が走った。基本的には、各委員が文書で意見を出すことになったが、「地域移行に偏りすぎている」という意見の一方で「地域生活をうたう権利条約を踏まえた新法をつくらなければ意味がない」という考え方も出された。さらに、利用者負担と絡める形で「人工呼吸器をつけた人や経管栄養の人などが、十分なケアを受けられないため、命を落としていることが多い」との強い指摘もされた。 
 次回8月30日(火)骨格提言最終まとめ
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2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか
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会場 東京都障害者福祉会館(田町)
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年度末にも政策委員会スタート?制度改革推進会議(第34回)

障害連事務局FAXレターNo.221
年度末にも政策委員会スタート?
―推進会議(34回)、どうなる障害の定義―
 制度改革推進会議(第34回)は8月8日行われた。
 障害者基本法改正について東室長からあった。「7月29日参議院で成立し8月5日公布」とのこと。「政策委員会はいつスタートするのか」に対して、東室長は「年度末にもスタートするかもしれない」との見通しを述べた。
 つづいて総合福祉部会、佐藤部会長から総合福祉部会における新法の骨格提言についての報告があった。
 はじめの議論では、障害の範囲、支給決定などであった。
 質問では、「障害制度区分認定基準の客観的指標には問題がある」というくだりは自治体の立場からどうかと思う表現だ、などが出され、「審査会で区分変更が多い実態があることに着目した」などと佐藤部会長や尾上副部会長は答えていた。
 障害の定義について、障害者基本法をよりある意味広くしていることについても、矛盾が生じるのではないか、との指摘が何人かからあった。
 これに対して、佐藤部会長は「これまでの枠組みではなく、新しい枠組みで障害の定義を検討している」と答えた。
 次の議論は、権利擁護、相談支援、支援体系などであった。
 デイアクティビティセンターにおける重症心身障害の人に対する医療的ケアについての考え方を評価する意見が出され、さらに地域で生きるという権利条約の理念に立ってすすめてほしいとの発言があった。
 また、「どれを優先するかという議論が出されてなく予算的に膨大になってしまう」との危惧が出され、「相談支援についてはカットしてもよいのではないか」という発言もあった。
 それに対して、佐藤部会長は「特定相談はニーズに応じたサービスはどれくらいかを明らかにさせ、個人のエンパワメントを発揮させる場として重要」と答えた。
 つづいて、利用者負担、地域資源整備に移った。
 障害にかかわる費用は無料とし、一部高額所得者について応能負担を導入するとした考えについて評価する意見が出される一方で、「一部応能負担という考え方はおかしい、高額所得者は税制で反映されるべきだ」との意見が出された。また、重度障害者については「一部お金を払ってでもきちんとした介助を保障してほしい」との発言もあった。
さらに「消費者的な視点で捉えていくことも重要ではないか」との指摘もあった。
 自立支援協議会と市町村政策委員会は役割が重複するのではないか、との指摘があり、東室長は「政策委員会は障害者基本法のものであり、自立支援協議会は総合福祉法上のものですみわけが必要とされる」と述べた。
 最後に“医療”“障害児”“労働”の合同作業部会の報告がそれぞれあった。労働の作業部会の座長である松井委員は、東室長の質問に答える形で、「労働については包括的な差別禁止法による差別禁止とともに、雇用促進法においても差別禁止条項を設けるべきだ」との考えを示した。
 次回9月26日(月)
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【お知らせ】
障害者・患者9条の会企画
2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」
平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか
 日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分~16時
 会場 東京都障害者福祉会館(田町)
 記念講演 中澤正夫(精神科医)
     「ヒロシマとフクシマ -目を背けてはいけない史実と事実」

七万人が自宅を離れてさまよっている時に

東京新聞2011年8月1日
「七万人が自宅を離れてさまよっている時に国会はいったい何をやっているのですか」。火を吐くような気迫に衆院委員会室は静まり返った。先週、厚生労働委員会に参考人として呼ばれた東京大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の発言だ▼教授の試算は衝撃的だった。福島第一原発の事故で漏出した放射性物質は広島原爆の約二十個分。一年後の残存量は原爆の場合、千分の一に減るが、原発から出た放射性物質は十分の一程度にしかならないという▼福島県南相馬市で自らが手掛けている除染活動を通じ、内部被ばくから子どもを守ろうとする責任感が伝わる発言だった。国会の怠慢を厳しく批判する先には、動きがあまりにも鈍い国への憤りがある▼細野豪志原発事故担当相は日本記者クラブでの記者会見で「除染作業こそ国家的プロジェクト。福島の皆さんに希望を持っていただける」と語っている。今後、除染作業が兆単位の公共事業になるのは間違いない▼児玉教授は、民間の技術を結集し直ちに国の責任で除染研究センターを設置するよう求めた。避難住民を無視した利権まみれの公共事業にしてはならない▼「人が生み出した物を人が除染できないわけがない。福島におけるセシウム除染は、次の世代への日本の科学者の責任である」。教授は医学雑誌にそう記した。学者の良心に希望を感じる。

差別禁止法と総合福祉法の制定に向けて

太田修平 ota@imail.plala.or.jp
tel 障害連 03-5282-0016
fax 03-5282-0017
障害連のホームページアドレスが変わりました
http://www9.plala.or.jp/shogairen/
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障害連事務局FAXレター NO.220
東日本大震災はまだ終わっていない
―障害連シンポジウム、行う(7.30)―
「福島では、震災当日から、今に至るまで大変な日々が続いている」とは、白石さんの言葉。7月30日(土)午後、東京都障害者総合福祉センターで、障害連シンポジウムPart8「真の安心・安全の暮らしとは何か―全身性障害者の立場から―」を行った。
白石清春さんは、JDF被災地障がい者支援センターふくしま代表を務めている。日ごろは障害者自立生活センターの運営をしている白石さん、3月11日から今に至るまで休む暇はない。福島では原発大事故が重なり、障害者の暮らしは振り回されている状態だ。「原発事故により、優生思想的な問題が出てきており、それとの闘いは長くなりそう」と語った。
古井正代さん、彼女は元青い芝の会の闘志として知る人ぞ知る。彼女も福島に支援に行った。避難所における差別、医療においても障害者が差別されていることや、自己決定権無視の実態、それらを率直に話してくれた。まず住宅問題が重要。「アメリカやヨーロッパでは、差別禁止の理念に基づき、すべての住宅をアクセシブルにする取り組みが当たり前」と語った。
上原泰男さんは、東京災害ボランティアネットワーク事務局長として、今宮城県の南三陸町の被災者支援を行っている。障害連との付き合いもあしかけ20年となる。福祉のまちづくり、帰宅困難を想定した訓練、いろいろと障害者と関わってくれた。上原さんは「どれだけ人とのつながりを持てているか、このことが災害時に大きな影響を与える」と述べた。
関根義雄さん(障害連副代表)は「避難所のバリアをなくしていくことをはじめ、誰もが地域で安心して暮らしていけるための整備が求められているのではないか」と語った。
指定発言で、越智大輔さん(東京都聴覚障害者連盟事務局長)は、「耳の不自由な人は、どれだけ危険がせまっているかなどの情報を得ることが難しい。避難所の状況も知ることが難しい。見た目では一般の人と変わらないので、なかなか理解してもらえない」と話してくれた。
フロアからは、「震災当日外出していたが、車いすで休める所が欲しかった。トイレが何より心配。」との発言もあった。
シンポジウムのなかで何人かの人が「被災地や避難所に障害者を見ない」と語っていたことは、これからの大きな課題としてのしかかってくる。
今回のシンポジウムは障害連にしては多い60名以上の人たちが参加してくれた。
集会の後、白石さんと古井さんは、障害者差別禁止法をぜひとも制定しなければならず、今後も障害連と連携をとりながら運動をしていくことを約束してくれた。
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差別禁止法と総合福祉法の制定に向けて
―2011年度障害連総会行う―
 シンポジウムの7月30日(土)、障害連は、2011年度の総会を行った。自立支援法にかわる総合福祉法の制定や、差別禁止法の実現などを盛り込んだ2011年度方針を採択した。さらに会計報告や予算案についても承認された。
 また次期役員改選においては、世代交代をさらに進めることも確認された。
 総会では以下の人たちが役員に選ばれたが、今後補充も必要ということから、補充については、役員会に一任された。代表 伊藤雅文(どろんこ作業所)、副代表 春田文夫(仰光会)、副代表 関根義雄(スタジオI)、事務局長 太田修平(仰光会)、幹事 杉井和男(船橋障害者自立生活センター)、幹事 渡辺正直(静岡障害者自立生活センター)、幹事 大濱眞(全国脊髄損傷者連合会)、幹事 木賀沢元(どろんこ作業所)、幹事 土屋淳子(ピアサポート八王子)、相談役 宮尾修(船橋障害者自立生活センター)、相談役 金澤恂(心の灯)、相談役 三澤了(全国頸髄損傷者連絡会)、会計監査 宮原映夫(全国頸髄損傷者連絡会

日本弁護士連合会会長声明

[原子力に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングに関する会長声明]
政府は、本年7月、「ツイッター、ブログなどインターネット上に掲載される原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報を常時モニタリングし、それに対して速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くことで、原子力発電所の事故等に対する風評被害を防止する」ことを目的とする原子力安全規制情報広聴・広報事業について業者に発注した。
原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングは、新聞・テレビを対象に過去3年間行われていたが、今年度は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、ツイッター、ブログなどを対象に予算を8300万円とこれまでの数倍規模に拡大して行うこととしたものである。
この事業においては、「常時モニタリング」すること、さらには、不正確とされる情報等に対して「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くこと」とされているが、原子力発電や放射性物質の健康被害に関する情報は、科学的に評価が定まらないところもあり、何が「不正確な情報」であるかの根拠が不明確である。そのため、これによって、政府が「不正確」と考える情報を一方的に批判することにより、情報を発信する者に対して萎縮効果を与える結果となり、憲法21条の表現の自由を侵害する恐れが大きい。
そして政府の考える正確な情報に導くことは、政府の発信する情報と異なる情報の流通を制限し、国民の知る権利を制限することとなり、原子力発電についての世論形成をゆがめるなど、民主主義社会の根幹を揺るがせる重大な問題であると危惧せざるを得ない。
そもそも、政府による原子力事故に関する情報開示自体が不十分なものであることは、事故直後に放射性物質拡散予測情報が公開されなかったこと、炉心内の状況について事故直後の原子炉の状態に関する情報がいまだに明らかにされていないこと、メルトダウンしていることが隠ぺいされ続けたこと、放射性物質が健康被害をもたらす閾値などについて十分な根拠が示されていないことなどから明白である。また、九州電力のやらせアンケート事件によって、原発問題については、不正な情報操作さえ行われる事実が明らかになった。そればかりか、本日の報道によれば、経済産業省原子力安全・保安院が2007年8月に国が開催したプルサーマル発電に関するシンポ ジウム前に、地元の住民に賛成の立場で発言してもらう「やらせ質問」を中部電力に要請していたことが判明した。
このような背景の下、市民はより正確な情報を求めようとして、これまでインターネットを利用する機会が少なかった人までもが、専門家やジャーナリストらがツイッターやブログで発信する情報を得ようとしたり、有益だと思える情報をツイッターなどで相互に伝えようとしているのである。
むしろ政府が行うべきは、正確な根拠を引用した具体的網羅的な情報の開示であり、自らが十分な情報を開示しないでおきながら、市民の間における情報流通のにつながる試みを行うことは、情報統制である。その上、前述のとおりの情報操作の動きがあることも併せ考えれば、問題の深刻さを示している。
当連合会は、政府に対し、直ちに本件モニタリングを中止することを求めるものである。
2011年(平成23年)7月29日
日本弁護士連合会      
会長 宇都宮 健 児